香典返しのマナー。相場から定番の香典返し、挨拶状の書き方までご紹介

故人の通夜や葬儀の際に香典を受け取った場合、その香典返しはどのようなものを選ぶのがいいのでしょう。また、いつ頃香典返しを送るべきなのかということも気になるポイントではないでしょうか。正しく香典返しを送らないと失礼にあたることもありますので、しっかりとマナ―を知っておくのが大切です。そこで今回は香典返しの正しいマナーについて詳しく紹介します。

そもそも香典返しの意味とは

香典返しの成り立ち

香典返しというのは、通夜や葬儀の際に故人に頂いた香典に対し、遺族からお礼の意味を込めて返すものです。

香典というのは厳密には仏教において個人の冥福を祈って手向ける香の代わりとして霊前に供えるものをいいます。かつては葬儀の時に香を絶やしてはいけないといういわれがあり、葬儀に参列する人はそれぞれ香を持ち寄っていました。それが現代では故人を偲ぶためのお金に変わったと考えられています。

それと同時に相互扶助としての意味も持ちます。これは急な葬儀で遺族はお金が必要だからという理由で、葬儀にかかるお金を参列者で助け合おうという気持ちから生まれました。

それでも遺族にとっては忙しい中、葬儀に参列してもらい、葬儀にかかる費用の援助まで受けたので、気持ちだけでもお返しをしたいと言う思いがあります。そういった気持ちから香典返しが送られるようになったと言われています。

キリスト教の場合

キリスト教では本来香典返しの習慣はありませんが、カトリックにおいては死去後30日目の追悼ミサ、プロテスタントでは死去1カ月目に行う召天記念式の後にご挨拶の贈り物をすることが多くみられます。これがキリスト教の香典返しにあたると言えるでしょう。

香典返しの相場は

一般的な香典返しの相場

香典返しの相場は、基本的に受け取った香典の3分の1から半分の金額です。そのため、もし5,000円の香典を受け取った場合には2,000円から2,500円相当の品物を送るのが一般的であると言えるでしょう。

ただし、親族の場合には香典が高額になることもあります。この場合には、相互扶助の意味が強いと考え、半返しにとらわれる必要はありません。香典返しは感謝の意味を表しますので、気持ちがこもっていることが大切なのです。

会社の場合

また、香典は会社名義で受け取ることもあります。この場合には、会社の経費から香典を頂いていることが多いため、香典返しをする必要はありません。しかしながら、役職者の名義で受け取った香典に関してはしっかりと香典返しをしなくてはいけません。

連名の場合

さらに連名で香典を受け取った場合には、一人当たりの香典の金額が少ないため半返しにしてしまうと香典返しの品物が1,000円程度のものになってしまうことがあります。そういった理由から、連名で香典を頂いた場合には菓子折りや小分けのお菓子などを香典返しの品物として選ぶケースも多くみられます。

香典返しののしの付け方は

香典返しの包み方

香典返しは包み方にもマナーがありますので、しっかりと覚えておきましょう。まず、香典返しの品物を奉書紙または半紙に包みます。

香典返しに付けるのし紙は、地域や宗派によって違いがあることが多くみられます。そのため、まずはその地域の人に確認しておくのがいいでしょう。

一般的には、蓮の絵が入ったのし紙は仏教の通夜や葬儀告別式、法要の際の香典返しに使用されます。蓮の絵の無いものであれば仏教や神道、キリスト教といった宗教に関係なく使用できます。のし紙の表書きには上段に「志」または「忌明志」、「粗供養」などと書き、下段に喪主の名前をフルネームで書きます。

水引きについて

水引きは黒白か、黄白の結び切りのものを使用するのが一般的です。結び切りを使用するのは、悲しいことが何度も繰り返されないことを意味しています。関西地方においては大阪や京都、神戸、奈良といった地域で黄白のものが使用されることが多くみられます。しかしながら、法要時にも白黒の「佛水引」を使用すると喪の色合が強いと考える人も増えてきていることから、その他の地域でも法要時の香典返しには黄水引を使用するケースが増えています。

定番の香典返しは?

香典返しは不祝儀に対するお返しですので、後に残らないものを選ぶのがマナーです。また、香典返しを送られた人が持ち帰ることも考え、重さがなく、かさ張らないものを選びましょう。

香典返しの定番とその意味

香典返しの定番と言えるのは実用品や消耗品であり、それぞれに意味も込められています。
まず、軽くて日持ちのする茶には「お茶を飲んで故人を偲ぶ」という思いが込められます。

「仏の世界に白装束で旅立つ」という願い込め、砂糖も定番の香典返しです。さらに、仏式ではさらしを白装束として使用していたことから「タオル」もよく選ばれます。タオルは消耗品であるため、消えものとして考えられています。

その他にも「不幸を洗い流す」という意味があり、消耗品としても人気があるのが石けんや洗剤です。加えて故人が好きだったものを香典返しに選ぶことで「故人を偲ぶ」という意味が込められることもあります。

最近の傾向

近年では、香典を頂いた人に好きなものを選んでもらいたいという気持ちからカタログギフトも多く選ばれています。カタログギフトの場合には送られた側が好きなものを選べますので、香典返しのマナーにとらわれず欲しいものが選べると人気があります。

香典返しの時の挨拶状の書き方

香典返しは本来であれば香典を受け取った人それぞれに手渡しをするものですが、遠くに離れて暮らしている人や遺族の仕事の都合などで、最近では宅配を利用することも多くみられます。そのため、香典返しには挨拶状を添えて送るのがマナーとされています。

挨拶状の内容

挨拶状の書き方は、まず葬儀や告別式の参列に対するお礼から始まり、香典に対するお礼と忌明け法要が無事に終了したことなどを報告します。戒名がある場合には挨拶状に書いておくのもいいでしょう。

挨拶状で気を付けるべき表現

挨拶状では「ますます」といった繰り返し語を使わないように気をつけ、「拝啓/敬具」「謹啓/謹白」といった頭語/結語を使用します

さらに季節の挨拶も入れないのがマナーです。その他にも句読点を使ってはいけませんので気を付ける必要があります。というのも、書状には句読点を用いません。さらに、葬儀や法事が滞りなくすむようにといった意味も込められていますので、文章が途切れてしまう句読点は使わない方がいいと言われているのです。挨拶状の書き方は難しいと考えてしまいがちですが、香典返しを注文したお店では、挨拶状のフォーマットが用意されていることも多いため、簡単に作成できます。

香典返しの挨拶の文例は

香典返しの挨拶の文例

謹啓先日の(続柄) (故人の俗名)儀 葬儀に際しましては
鄭重なるご芳志を賜りお礼申し上げます
○月○日
(戒名)
四十九日の法要を相営むことができました
生前に故人が賜りましたご厚情に対しあらためて感謝申し上げるしだいでございます
つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお届けしました
どうぞお納めくださいますようお願い申しあげます
まずは右略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
謹白

ごく親しい人へ送る場合

拝啓この度(続柄)(故人の俗名)の永眠に際しましてはお心のこもったお手紙とお香典を賜りまして誠にありがとうございました
お陰をもちまして先般四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
生前どれほど皆様に支えられた一生であったかと思うと感謝に絶えません
親しい皆様に見送っていただき故人もきっと喜んでくれていることと存じます
つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りしますので御受納くださいませ
お目にかかり親しくお礼申しあげるべきところ書面にてご挨拶申しあげます

敬具

香典返しはいつまでに送ればいいの?

香典返しを送る時期

香典返しをいつ送るのがいいのかわからないという人も多くみられます。香典返しは本来「忌が明けてから」送るものであると言われています。つまり、四十九日を過ぎた後に送るものです。神道やキリスト教の場合も仏教にならい、忌が明けた後に香典返しにあたる品を用意することがあります。

最近の傾向

ただ、近年では葬儀の当日に会葬御礼の品とともに香典返しを送り、持ち帰ってもらうケースも多くみられています。当日返しの場合には、あらかじめ香典返しの品を用意しておく必要があり、香典の金額に関係なく全員に2,000円から3,000円程度の品を送るのが一般的です。

もし、香典の金額が多かった場合には四十九日を過ぎた後に改めて香典返しを送ります。香典として10,000円を受け取り、当日返しの品物が3,000円であった場合には差額の2,000円分を送るのがいいでしょう。

こうした習慣は地域によっても違いがありますので、地域に暮らす親戚や葬祭業者に相談するのがおすすめです。

ただ、葬儀の際に香典や供物をお断りすることを明示していた場合や、一家の働き手が亡くなり、その子供が小さい場合、さらに頂いた香典を故人のゆかりの事業や社会福祉施設へ寄付した場合には香典返しの必要がありません。しかしながら、忌明けには挨拶状を送り、無事に四十九日が終了したことを報告するのがマナーです。

香典返しにお礼は必要?

香典返しにはお礼を重ねないことがマナー

これまで香典返しの送り方について説明してきましたが、香典を受け取った人はお礼をするべきなのでしょうか。
香典返しというのは、香典に対するお礼であるため、一般的に返事やお礼は不要です。お礼にお礼を重ねてしまうと不祝儀が繰り返されることを意味してしまいますので、返事をしないのがマナーであると言えます。

また、香典返しには個人の葬儀や法要といった仏事が滞りなくすんだという報告とともに不幸に区切りがついたという意味合いも持っています。そういった理由から香典返しに返事をしてしまうと失礼にあたるのです。

無事に届いたことの報告をしたい場合

それでも無事に届いたことの報告をしたいという場合にはお見舞いを伝えるという形で受け取ったことを伝えられます。

香典返しを受け取った連絡ははがきで送るのが丁寧です。はがきですので時候の挨拶などは省略し、「ご供養のおしるしをいただきました」と報告しましょう。お礼を述べないように気を付け、親族への気遣いの言葉と故人の冥福を祈る言葉で簡潔にまとめるのがマナーです。

もし親しい間柄などで電話をかけるのであれば「ありがとう」という言葉を使わないように注意する必要があります。「お心遣い頂戴いたしました」や「お気遣い恐れ入ります」などお礼に代わる言い換え方をいくつか考えてから電話をかけるのがおすすめです。

まとめ

香典返しには品物の選び方や送る時期などさまざまなマナーがあります。マナーを守らずに香典返しを送ってしまうと香典を頂いた人に失礼にあたりますので注意が必要です。また、地域などによって風習も異なりますので、あらかじめ相談しておくのがいいでしょう。香典返しのマナーを知っていると身内に突然の不幸があった時にも慌てることがありません。香典返しのマナーを知り、正しく香典返しを送りましょう。